Q1: 従来のを超えて新しい分野に進出する企業が増えている。
Q2: この情報誌は国内の主な観光名所をほぼ網羅している
Q3: このような賞を受けることは、私にとって大変名誉なことです
Q4: 新商品の開発には多額の資金を費やした
Q5: あそこに見えるのは、千年前に建てられた由緒あるお寺です。
Q6: 若いスタッフたちが手際よく作業を進めていた。
Q7: 会議の直前に部長の都合が悪くなり、( )私が代理で出席することになった。
Q8: あの人は「申請書は締め切りまでに絶対に提出した」と、まだ( )いる
Q9: このままでは交渉がまとまらないので、互いに( )せざるをえない。
Q10: この論文が今後の医学の発展に( )するところは大きいだろう。
Q11: 今年の花火大会は、30万人を超える( )が予想されている。
Q12: 仕事の分担を決める前に、必要な作業をすべて( )した。
Q13: 朝から頭痛がひどかったが、薬を飲んだら、だいぶ痛みが( )きた。
Q14: 商品の原価が上がったが、販売価格への影響は当面ないだろう。
Q15: 今回の開発計画は、これまでのものとはスケールが違う。
Q16: 友人はしきりにうなずきながら話を聞いていた。
Q17: 先方に確認した上で、企画書の内容を決定した。
Q18: こんなにけなされるとは思ってもみなかった。
Q19: 山田さんは、口癖のように「おっくうだ」と言う。
Q20: 広大
Q21: 秘める
Q22: 発散
Q23: 仕業
Q24: 無造作
Q25: 総じて
Q26: A 国では、急激な経済成長( )、エネルギー消費量がこの10年で約3倍に増加している。
Q27: (電話で)
A 「ご注文の品をお届けに( )たいのですが、明日のご都合はいかがでしょうか。」
B 「そうですね。3時以降なら家にいます。」
Q28: 「なるほど。それでけんかになったのか。もちろん悪いのは冗談を言った彼だけど、それくらいのことで怒った君( )君だよ」
Q29: デートの約束がある日は、急いで( )業務をこなしていても、なぜか急な会議が入ったりして、結局残業で遅れてしまう。
Q30: 彼は自転車がよほど好きらしい。( )、毎日楽しそうに自転車で通勤してくる。
Q31: 親が子供を注意するのは、子供のため( )のことなのだが、その気持ちはなかなか伝わらない。
Q32: 彼の政治家としての能力は( )、首相になるにはまだ早い。
Q33: (会議で)
部長「この方針について意見のある人はいますか。あ、田村さん、どうぞ。」
田村「はい。そのような対忚は確かに必要だとは思います。しかし、私たち営業の立場( )、現在の状況でそこまでやるのは厳しいです。」
Q34: (携帯電話で)
夏子「もしもし、友子?ごめん、電車が遅れてて。」
友子「え、そうなの?映画、7時からだけど。」
夏子「うん。( )、また連絡するね。」
Q35: A「西川先生のデザインは、どういうところが魅力ですか。」
B 「そうですね。私にとって先生のデザインは、見ているだけでほっとする( )、そんな温かい雰囲気があって、好きなんです。」
Q36: 勉強に専念するためにアルバイトをすぐにでも_____ _____ __★__ _____困っている。
Q37: 昨日、息子が近所の公園で捕まえてきた昆虫を見て驚いた。虫について_____ _____ __★__ _____ 。あんな虫は見たことがなかった。
Q38: 将棋は好きなら上達する。将棋が好きだということ_____ _____ __★__ _____ 強くなれるのだ。
Q39: 動物園のゴリラが、私のことをずっと見ていた。私を仲間_____ _____ __★__ _____ だろうか。
Q40: _____ _____ __★__ _____ 姿勢を持つことが重要である。
大人時間 今年は一回しか踊れなかったのだけれど、毎年、盆踊り(注1)を楽しみにしているのだった。
盆踊りが上手な友人がいるので、いつも彼女の後ろに張り付いて踊っている。踊りに行く場所はいろいろ。でも、たいてい東京の下町ばかりを選んでいる。 踊っている人たちの感じが好きなのである。地元の方が多いのは当たり前なのだけれど、下町の会社にお勤めの人々が、仕事帰りにふらっと踊っていたりす るのが面白いのだった。肩からバッグをぶら下げながら踊るOL (注2)さんたちの、かわいらしさと言ったら!
盆踊りは、一見、老若男女が楽しめるイベントのようだけれど、実はそうじゃない、とわたしは思っている。 (41) のものなのである。
盆踊りって、まあ、どこも6時半くらいから始まるのだが、8時過ぎくらいになると、子供にお菓子を配る時間がくる。
それが合図なのだ。子供の時間は終わったのだ、という合図。
あからさまに「子供は大人の邪魔するな」なんてことは言わないのだけれど、(42) 雰囲気が盆踊り会場にただよってくる。今まで、「さぁ、踊って踊って」 と、恥ずかしがる子供たちを踊りの輪に入れていた大人たちが、子供に声をかけなくなる。
子供にお菓子が配付された後、やがて、大人たちが本気で踊りはじめるのだった。
踊りの難しい曲が多くなる。『炭坑節』など、渋い踊りも多くなる。そうなるにしたがって、まわりで立って見ていただけの大人たちが、ひとり、またひと りと踊りの輪に加わりはじめ、盛上がってくるのだった。 (43) 、わたしは自分の子供時代を静かに思い出す。
大人時間になった盆踊りが、とってもかっこよかったこと。難しい踊りになって、仕方なく躍りの輪から外れ、母親や、近所のおばさんたちが、もくもくと 踊っている姿を見ていた。子供の出番はないのだと (44)
子供はでしゃばる(注3)んじゃないよ!っていう、大人たちの態度
。 大人(特におばさんたち)がうらやましかったあのときの気持ち。記憶から消えないまま、いい思い出になってわたしの心に残っている。
大人が主役になる時間って、悪くないなと思う。子供に歩み寄ってばかりじゃ、大人になった甲斐がないと (45)
(益田ミリ『前進する日もしない日も』による)

(注1)盆踊り:夏のお盆に行われる行事。参加者が輪になり、音楽に合わせて踊る
(注2)OL :女性の会社員
(注3)でしゃばる:目立つ必要がないのに、目立とうとする
Q41:
Q42:
Q43:
Q44:
Q45:

ファッションなど、流行は模倣を前提にしている。真似られなければ、フ ァッションなど成立しない。ミニスカートをデザインしたとしても、特定のデ ザイナーのものだけが売れるのでは、流行にはならない。多くの者が模倣して はじめて流行は成立するため、ファッションなどには、模倣を誘発させようと する意図が最初から織り込みずみだ。
(浜野保樹『模倣される日本――映画、アニメから料理、ファッションまで』 による)
Q46: 流行について、筆者はどのように考えているか
以下は、ある会社で回覧された文書である。

2012年6月27日

営業部社員 各位
総務部長

業務用携帯電話の貸与について

このたび、業務用携帯電話を貸与することになりましたので、貸与申請書を7月10日までに総務部までご提出ください。業務用携帯電話は、7月17日以降順次配付いたします。

また私物の携帯電話の業務使用は、8月1日以降禁止いたします。7月31日までの通話料精算の請求書提出は、8月31日必着で総務部にご提出ください。

Q47: 業務のために携帯電話を使用している人はどうしなければならないか

情報化、グローバル化と言われ、視野を広げるべき時代に、実は極めて限られ た世界、社会でしか情報や価値観を得られていない人が増えているように思え ます。インターネットは世界中どこにでもつながりますが、自分で意識しないと、限られた価値観の情報だけが集まり、さらに深く入り込む。世界観を広げるインターネットが、逆に世界観や価値観を狭めてしまう、視野狭窄(注)に陥らせる道具となってしまうのです。
(伊藤真『会社コンプライアンス――内部統制の条件』による)

(注) 視野狭窄(きょうさく) :見える範囲が狭くなること
Q48: この文章で、筆者はインターネットをどのようにとらえているか。

この会社にはどこかに中心があって、自分はその中心から遠く離れたところに押やられ(注1)ていると感じている人は多い。しかし、私は私自身の「生きる意味」を創造し、私の生きる世界に意味を与える存在なのであり、世界の中心は私自身にあるのだ。しかし、それは「自己チュー」(注2)の世界ではない。なぜなら、私自身が意味を生み出す中心であることを認めるとき、私たちの周りには私だけででなくたくさんの中心があることが分かってくるからだ。

(上田紀行「生きる意味」による)

(注1)押しやる:申しどける

(注2)自己チュー:自己中心のこと。自分のことしか考えないこと

Q49: 筆者の考えを最もよく表しているのはどれか。

私は、「どうしたらわかりやすく伝えられるか」ということを常に考えていま す。
その一方で、「話を単純化しすぎてはいけない」ということも胆に銘じ(注1) ています。
この兹ね合いが、結構難しいのです。扱うテーマに関して勉強を積み重ね、知識が増えるほど、難しくなります。

生半可(注2) にしか知らないときのほうが、簡単にざっくり(注3) 単純化できたりします。でも、そのために結果として、全体像が見えずに歪んだ像を示したり、事実とニュアンスが違ってきてしまったりすることにもつながります。これはとても①怖いことです。
それを防ぐには、どうしたらいいか。(中略)

まず、調べたいことを勉強して、誰かに話してみます。簡単に話ができたら、要注意。学部生レベルである可能性が高いからです。そこで満足せずに、さらに深い勉強をしてみましょう。すると、あら不思議。急に話が難しくなります。これが大学院生レベルです。いわば②「わかりやすい説明」に至るスランプのようなものです。

そこで挫折せず、さらに勉強を深め、「この話のキモ(注4) は何なのか」を考え抜きましょう。すると、ある日突然、自分でも驚くほど、わかりやすい説明ができていることに気づくはずです。あなたは、その分野で、晴れて「指導教授」の立場まで成長したのです。学部生レベルの人の説明の間違いを訂正してあげることもできるようになったことでしょう。
最初の単純化で満足せず、さらに高みを目指すとスランプに陥る。そこを突破すると、「わかりやすい説明」が可能になる。このプロセスが、キモなのです。
(池上彰『<わかりやすさ>の勉強法』による)

(注1) 胆(きも) に銘(めい) じる:決して忘れないようにする
(注2) 生半可:中途半端
(注3) ざっくり:大まかに、粗く
(注4) キモ:最も大事なところ
Q50:  ①怖いこととは何か
Q51:  ②「わかりやすい説明」に至るスランプとあるが、どのような状態か。
Q52: 筆者は、スランプを突破するにはどうすればいいと述べているか

児童文学の多くは、子どもの視点で書かれています。もちろん作者は大人なのですが、子どもの考え方や、子どもの目の高さから見える風景を描いています。当然のことながら大人が読む場合、そこにどうしても①視点のズレが生じます
けれど大人はみな、昔、子どもでした。子どもを卒業して大人になったと思っているのが、子どもだった自分を抱えたまま大人になったと思っているのかは人それぞれでしょうが、尐なくとも、だれもが子ども時代を過ごしてきています。大人の視点で読みながら、子どもの頃の視点を思い出すことは可能です。自分の中の子どもに寄り添って、一緒に読むとでも言えばいいでしょうか。
子ども時代に読んだ本を再読すると、同じ場面なのに、子どもの頃の自分と今の自分とでは、感じ方や受け取り方がちがうのに気づくことがあります。それは今の自分が、自分の心の中にいる子どもと向かいあう一瞬です。そうした機会に、今の子どもたちへのまなざしを新たにすることもあるでしょう。たとえば、「近頃(ちかごろ) の子どもにはこまったものだ」と文句を言っていたけれど、子どもの頃の自分はどうだったのか?と問い直す。大人であることにあぐらをかいていた(注) 自分を省みる。そんなことが起こるかもしれません。
どうぞ、「子どもの本」を開いてみてください
(ひこ•田中『大人のための児童文学講座』による)

(注) あぐらをかいていた:ここでは、何の疑問も感じずにいた
Q53:視点のズレが生じますとあるが、なぜそうなるのか。
Q54: 筆者によると、視点のズレを解消するためにできることは何か。
Q55:どうぞ、「子どもの本」を開いてみてくださいとあるが、筆者はなぜそのように述べていると考えられるか。

ファースト•フードが世界中にひろがったのは、文化や人間の集合状態に変化 が起こっていたからである。家族はこれまでほど安定したものではなくなったし、私的な生活、労働や遊びのパターンも個人的かつ多様になっていたのである。人間の接触が煩わしいものに感じる傾向も増大した。食事がもつ楽しみは感覚と社交の至上の快楽ではなくなった。それは他の行為のあいまに挿入されるものとなることが多かったし、それと平行して人間は食事を簡便に済ませることを望んだことも考慮すべきであろう。
(中略)
もちろん都市の食文化にとってファースト•フードが占める位置は、コンビニが買い物行動にたいして占める位置と同様、全面的ではない。しかし多種多様なレストランがいたるところに叢生(そうせい) (注1)してくるなかに、ひとつの均質化する力として割り込み、かつローカルな都市を世界的な規模にまでひろがった同一の網目に組み込むことは、無視できない力の兆候的現象なのである。
おそらくこうしたファースト•フードの経験は、意識されていることがら以上に、ほとんど意識されない感覚的な影響の方が大きいだろう。かつての食の内容からみると、貧困としかいいようのないメニューに慣れること、あえて社会的関係を破壊しようとしないでも、人びとはファースト•フードの利用によって、いつのまにか都市の遊民(注2)になっていくこと、そしてこの食形式の共有によってわれわれは奇妙なかたちで、われわれ自身をいつのまにか世界化していること、などである。
(多木浩二『都市の政治学』による)

(注1)叢生(そうせい) する:ここでは、多くできる
(注2)遊民:ここでは、社会的関係をもたない人
Q56: 筆者によると、ファースト•フードがひろまった理由は何か
Q57: 兆候的現象とあるが、それはどのような現象か。
Q58: ファースト•フードのひろがりが人びとに与える影響を、筆者はどのように考 えているか
まず、教育とは何か、ということから考えてみよう。さしあたってぼくは、教育とは、子どもを「社会の成員(大人)としてふさわしい存在」へと育て上げていくこと、と定義してみたい。
どんな時代、どんな社会の人びとでも、子どもを大人に育て上げなくてはならなかった。そのさいには、①社会の成員として「ふさわしい」あり方が何かしら想定されていて、それが教育の営みを導いていたはずだ。

その「ふさわしさ」は、大きく二つに分けられるだろう。一つは、働いて食べていけるために必要な能力、つまり農民なら農民としての、漁民ならば漁民としての、技能や知識。もう一つは、他の人びとのあいだでふさわしいふるまいができること――基本的なルールを守り、他の人びとと協力する態勢をとれること、自分に与えられた役割を果たし、その責任をとれること等々、つまり、他者との関係能力である。

では、現代社会においては、どういうことが「大人としてふさわしい」のだろうか?教育理念を構築するとは、このことをあらためて考え、かつ共有しようとすることに他ならない。だが、この「共有」ということはなかなかむずかしい。そこには、社会のあり方と人間の生き方をどのようなものとして思い描くか、つまりは、異なった社会観•人間観がさまざまに入り込み、衝突してくるからだ。

たとえば、ぼくが最初にあげた「教育とは、子どもを社会の成員としてふさわしい存在にすることだ」という定義に対しても、②反発を覚える人がいるだろう。「それは、社会的期待に子供を添わせようとするよくない発想だ。教育とはむしろ、子供の主体的な判断力を育てるものだ」というわけである。
この意見はしかし、「社会の秩序にただ従うだけでなく、主体的な判断のもとにみずからの人生をつくりあげ、社会のあり方をも批判的に検討する人間こそが社会の成員としてふさわしい」という近代的な人間観にもとづいている。これもまた、社会の側が子どもたちに寄せる「期待」の一種だと言わざるをえない。そして子供を放置すれば主体的•批判的な人間になるはずもないから、そのように「育て上げ」ようとしなくてはならない。

いずれにせよ、教育というものは、社会(大人)の側が子供に寄せる期待、もっと強い言い方をすれば、ある種の強制から自由ではない、とぼくは考える。重要なことは、「この社会の一員、つまり大人として生きていくうえで何が必要な条件なのか」ということをきちんと見定め共有したうえでの強制であるかどうか、という点なのだ。
(苅谷剛彦•西研『考えあう技術――教育と社会を哲学する」による)
Q59:社会の成員として「ふさわしい」あり方とはどのようなものか。
Q60: 教育理念を「共有」することがむずかしいのはなぜか。
Q61:反発を覚える人の意見について、筆者はどのように考えているか
Q62: 教育について、筆者の考えを表しているのはどれか

A

   私たち日本人がこれまで培ってきた日本語を次の世代に伝えていくうえで、国語辞典のデジタル化は避けて通れない課題です。辞書のデジタル化は「電子辞書」という形ですでに実用化され、多くの人が利用してきました。わからないことばを瞬時に検索できる電子辞書は「データ検索」というコンピューターの強みを生かしたもので、ことばに関する膨大な情報をポケットに入れて持ち歩けるようになりました。

   でも、書籍の大辞林(注1)を手にとって眺めていると、電子辞書では味わうことのできない楽しみがあることに気付かされます。ぺージをぱらぱらとめくりながら、気になったことばの解説を読むという楽しみ方です。辞書は単にことばを調べるだけでなく、読み物としてもじゅうぶんに楽しめます。

(賡潮貝仁 三省堂 日取得による)

B

   最近の電子辞書研究によると、電子辞書を用いた学生は単語にたどり着く時間は早いが第一義(注2)の意味だけを読むことによる誤答率が高まるという。また僕が行った大学生のメディア行動調査でも印刷辞書と電子辞書は、意外なことにかなりの率で使い分けられている。パソコンとネットを使いこなす理工系学生でもアンダーラインを引いたり、使いこなすにしたがってカスタマイズできる(注3)印刷辞書の魅力を語っていた。「印刷辞書はマイ・ディクショナリー(注4)になりますから」)という発言が象徴的だった。生まれたときからデジタル機器に囲まれて育った今の学生でも、メデイアの本質を見抜き使い分けているのである。

(植村八渺三省堂日取得による)

(注1)大辞林:国語辞典の名前

(注2)第一義の:ここでは、一番目に書いてある

(注3)カスタマイズする:ここでは、自分に都合のいい使い方ができるようにする

(注4)デイクショナリー:辞書

Q63: 電子辞書の長所について、A とB が共通して述べていることは何か。
Q64: 印刷された辞書について、A とB はどのように述べているか。
皆さんは、今朝起きてからいままでに、どんな広告を見たか覚えていますか。
「広告はほとんどなかったと思うけど……」。いやいや、そんなことはありません。現在の時間が、朝会社に着いたばかりだったとしても、短い時間のうちにものすごい量の広告に触れているはずです。テレビCM で、新聞で、電車の中で、街中で……。何十、何百という数が、目の前を通り過ぎたことでしょう。
そのなかで、ぱっと思い出せるものはありますか。そう言われてみると、ほとんどといっていいくらい、記憶に残っていないのではないでしょうか。(中略)
「広告なんて誰も見ていない」
これは、僕が会社に入って間もない頃に実感したことです。会議で難しい用語が飛び交い、商品のアピールポイントや表現の話は白熱しているのですが、①もっと根本的なことにはなかなか触れられずにいる。目の前の仕事に深く入り込んでしまうと、「果たして、広告とは関心をもってもらえるものなのか」という、ぐっと引いた視線で見ることを忘れがちになってしまうのです。こうした大前提が見えないままに作られている広告が、非常に多いのではないでしょうか。
広告を発信する側としては、伝えたいことはたくさんあって、一般の人たちも当然注目してくれるものと思い込みがちです。ところが、受け手側というのは、発信者側のそんな思いなど、ほとんど意に介し(注1)ていません。なぜなら、日常生活のなかでは、自分の身の回りの出来事や問題で精一杯になっているからです。人は自分の心にバリア(注2)を張っていて、無意識のうちに外部情報を遮断しています。ですから、伝えたい情報を相当きちんと整理したうえで、筋道を立てて戦略的に伝えることを考えないと、受け手の心のバリアを破って入り込むことなどできないのです。
「振り向かせるためには、刺激的なものにすればいいんじゃないの?」
こういう意見もあるでしょう。でも、単に刺激的なだけでは、一瞬目を引くだけで終わってしまう。心の奥までは浸透していかないのです。たとえるなら、子どもが隠れていた物陰から出てきて、「わっ!」と驚かせるようなもの。驚かされた方は、怒ったり相手にしなかったりするかもしれません。相手の理解を得たり興味を引いたりしないと、本当に心を捉えたことにはならないのです。だから、まず何が言いたいのかという主旨をはっきりさせ、そのうえでどんなトーンで伝えるのかという工夫をすることが大切です。
(佐藤可士和『加藤可士和の超整理術』による)

(注1)意に介する:気にする
(注2)バリア:ここでは、壁
Q65:もっと根本的なこととあるが、どのようなことか。
Q66: 筆者は、広告の受け手をどのようにとらえているか。
Q67: 筆者は②こういう意見に対してどのように考えているか
Q68: 広告の発信者に対して、筆者が言いたいことは何か。
「東西劇場 友の会」へのお誘い

「東西劇場 友の会」は、伝統芸能、現代演劇、バレエ、音楽などの舞台芸術を皆様により 親しく、身近に楽しんでいただくための会員組織です。会員の方々には様々な特典をご用意 しております。

  • 東西劇場で行われる公演やイベントの情報をお伝えする会報誌「とうざい」を隔月でお送りいたします。
  • 東西劇場で行われるすべての公演のチケットを会員割引価格でお求めいただけます(一般会員10%割引、学生会員15%割引)。また、日本全国の系列劇場の公演も一部割引を受けられるものがあります(5%割引)。
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割引を受ける際には、会員証が必要です。学生会員の方は会員証の他、学生証も併せてご提示ください。

【入会費・年会費】
  • 入会費(入会時のみ):1,000円
  • 年会費(1年ごと):一般会員 2,000円、学生会員 1,500円
【ご入会の手続き】

ご入会を希望される方は「東西劇場 友の会」事務局にご連絡ください。

郵便局備付の払込取扱票をご利用のうえ、必要事項をご記入いただき、所定の金額をお振込みください(金融機関の口座振替もご利用いただけます)。会員証、会報誌、会員特典などは、ご入金を確認次第発送いたします。なお、退会のお申し出がない限り、会員資格は自動更新されます。

既に会員のご家族の方で新たに入会を希望される場合も、入会費と年会費をお支払いいただきます。入会申込書は事務局までご請求ください。なお、会員登録内容の変更がございましたら速やかに事務局までご連絡ください。

「東西劇場 友の会」事務局 TEL 03-1234-5878

Q69: サラさんは大学の芸術学部の学生で演劇を勉強している。サラさんが「東西劇場 友の会」の会員になったら、次のどのサービスを受けることができるか。
Q70: 会社員のユアンさんは「東西劇場 友の会」に入会したいと思っている。入会費と年会費の支払いはどのようにするか
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